おいしい関係全16巻(その当時は、9巻まででした)/槇村さとる 集英社

日本文学の底の浅さは、思春期文学が無いことではないかと思っています。
この領域を一手に引き受け、枯渇させずに頑張ってきたのが、少女コミックであると考えています。
現代の文学者達は勿論、私達はもっと真剣にコミックを読むべきだと思います。
そして、かつての思春期の時の「癒されなかった自己」と面と向うべきなのです。

うん、いや〜力が入ってますな。この文章。
どないしたんや、徳さん!

空無化するラディカリズム(1997年2月感想文より)/加藤典洋 海鳥社

色んな人の意見は、いつの時代でも同じである。

今は漠然として、何かは分からないが、変化の時である。
あの事件は、それを象徴しているんだ。
あの人は、前と変わってダメになってしまった。

50年前、10年前、いつもいつも、「転換期」と人は言っていました。
そして、今も。

転換期ならそれでもいい。
でも何から何へ転換するんだろう?
したんだろうか?

きのうの転換期と、今日の転換期。

あるクリスマス(1997年2月感想文より)/トルーマン・カポーティ/村上春樹訳・山本容子銅版画 文藝春秋

この作品は、前年に父を亡くしたカポーティが書いた最後の作品です。
あえて言葉を重ねまいと思います。

とにかく、観て下さい。
読んでみて下さい。
(2008年2月)